バイクによる人身事故と物損事故は、もちろん、大きく異なるものです。それでは、人身事故と物損事故の違いとは、具体的に、どのようなものなのでしょうか。ここでいう違いとは何かというと、まず、警察の方から出してもらう、事故証明での話です。物損事故の場合、警察が現場検証を行った上で、この事故は物損事故であると判断されれば、発行してもらうことができます。バイクでクルマにぶつけてしまったとか、家屋を壊してしまったとか、ガードレールなどを壊してしまったどといったケースです。
ですから、このような事故に合ってしまった場合は、まずは、必ず、警察に連絡をするようにしてください。そして、警察の他に、自分が契約している保険会社にも連絡をとってください。それが補償を受けるための大前提となります。仮に、警察に届けを出していない場合は、事故の当事者同士で、話が食い違ったりするケースも多々あります。これが、もめにもめる原因になることも多いようです。
一方、人身事故の場合、負傷して、治療をしてもらった病院の診断書が必要となります。この診断書の発行にかかる費用は、およそ4000円程度です。お金は多少かかりますが、保険会社は、警察が、人身事故として扱い、事故証明を発行してくれない限り、保険金は支払ってはくれません。
しかし、自損事故で、任意保険に加入していない場合など、自分の怪我に関して、人身事故で事故証明を出してもらっても意味がない場合があります。どちらにしても、保険料は支払われないからです。事故としては、人身事故であっても、物損事故として処理をしてもらうのです。
過失相殺とは、被害者が被った損害の中で、加害者は、被害者の過失に対応した部分、つまり過失割合の賠償を、逃れることができるというものです。例えば、動いているバイク、あるいは自動車同士の事故の場合は、ほとんどのケースにおいて、過失相殺が発生します。過失相殺とは、裁判の判例が基となっている考え方です。
ただし、過失相殺の基準というのは、あくまで参考です。絶対的な法律というわけではありません。裁判でも、過失相殺については、裁判官の自由裁量に任されています。例えば、一時停止を無視したバイクとの衝突事故であっても、加害者が、酒気帯び運転だった場合は、加害者の過失は大きくなるというわけです。
過失割合の加算要素についてですが、交通事故の場合、個々の事故によって、過失割合が変化します。以下は、バイク(自動車)の場合の、過失加算要素です。おおよそ10%前後の過失が加算されます。
1.前方不注意
2.制限速度違反
3.ウインカー出し忘れ、または出し遅れ
4.黄色信号中の交差点等への進入
5.大型車の場合の右折
6.相手がバイクのケース
7.相手が初心者マークを付けているケース
上記のものがあげられますが、当然、過失割合が加算された場合、過失相殺も変わってきます。人身事故での過失相殺ですが、人身事故では、自賠責保険から補償されます。限度額は、死亡が3000万円、後遺症は、障害に応じて3000万円(ないし4000万円)、傷害の場合は、120万円となっています。そして、限度額をオーバーした金額が、任意保険から補償されることになります。
物損事故の場合は、双方が任意保険に加入していた場合、双方の保険会社が連絡を取り合い、示談交渉をします。従って、提示された示談の内容に不満がないという場合は、判を押して、示談は成立となります。過失相殺も、お互いの保険会社が、基準を元に、事故の状況に応じた修正を行なうのが通常です。
政府保証について、ご存知でしょうか。その内容について、見ていきたいと思います。政府保証の対象となるのは、ひき逃げ事故や、盗難車によって起こされた事故、あるいは、自賠責保険や自賠責共済が付保されていないバイクによる事故(つまり無保険者によるものです)です。
政府保障事業とは、何かというと、国土交通省による、自動車損害賠償保障法に基づき、被害者の救済を目的とする損害のてん補を行う制度です。てん補される損害の範囲や限度額は、自賠責保険の基準と同様となっています。
傷害事故の場合、治療関係費や、休業損害、慰謝料といったものが支払われることになっています。この場合の限度額は、120万円です。後遺症が残ってしまった事故の場合では、身体に残った後遺症の重さに応じた、等級による逸失利益、慰謝料が、支払われることになっています。こちらの限度額ですが、障害の程度によって、75万円から3,000万円と定められています。
また、平成14年4月1日以降に起こった事故では、神経系統や胸腹部臓器、精神などに著しい障害が残って、常に介護が必要と判断された場合は、4,000万円が上限となっています。死亡事故の場合は、葬儀代や逸失利益、被害者自身の慰謝料、そして、遺族の慰謝料が支払われます。こちらの限度額は、3,000万円となっています。
たとえ、相手がバイク保険などに入っていないという場合であっても、決して泣き寝入りをしないで、こういった制度があることをよく調べて、積極的に活用していきましょう。
自動車のドライバーや、バイクのライダーが、一般的に入る保険による保障については、広く知られていると思います。自動車事故の被害者を救済するために、自動車やバイクの利用者が、自動車損害賠償責任保険(いわゆる自賠責保険あるいは自賠責共済)への加入が義務づけられているということは、ご存知の方が多いと思います。しかし、政府が保証を行う事業に関しては、それほど知られていないのではないでしょうか。今回は、政府の保障事業に関して、簡単にですが、説明してみたいと思います。
政府保障事業は、ある理由で、自賠責保険、あるいは、自賠責共済からの保険金の支払いを受けることのできない被害者を救済することを目的にして、設けられた制度です。ただし、自賠責保険と同様に、被害者の方に、重大な過失があるという場合については、損害てん補額が、減額されるケースがあります。
この規定は、平成19年4月1日以降に起こった事故に適用されています。結構、最近のものです。また、親族間の事故に関しては、補償されません。社会保険を使用しないというケースでは、社会保険を使用したときに給付されると予想された金額が、差し引かれることになります。自賠責保険のような、仮渡金や内払金の制度、時効中断の取り扱いがないのです。
請求できる人についてですが、傷害や後遺障害のケースでは、被害者、あるいは、被害者から委任を受けた人です。また、病院などの治療代のみの請求についても認められません。請求は、全国の農協や損害保険会社などの窓口で行うことができます。